◆東京新聞「嵐山光三郎のうまいもの探検」で弊店の鮭の飯寿司が紹介されました。

年の暮れになると、新潟県村上の「鮭の飯寿司」は、もう漬かったかなあ、と思う。越後村上の鮭は歴史が古く、平安時代にば京都の王朝貴族に献上されていた。
 江戸時代には、世界で初めての自然ふ化に成功して、鮭文化とともに栄えた町である。村上に流れる三面川に帰ってくる鮭は、北海道でとれる鮭とは一味違った上等品で、塩引き鮭、鮭のはらこ、鮭のかおり漬け、塩引き鮭をスライスした酒びたし、などの珍味が知られている。
 村上のうおやのヤエ子おっかあに会ったのは、もう二十年ぐらい前のことだ。ヤエ子おっかあは、鮭のことならなんでも知っている名人で、ことに、鮭の飯寿司を作らせたら、右に出る人はいない 。
これば村上地方のお正月の味として、古くから親しまれてきた自然食品である。村上でとれた塩引き鮭の切り身、鮭の頭の軟骨(氷頑なます)、カズノコ、大根、ニンジン、はらこ(イクラ)、ユズ、をはなこうじで二十日間ぐらい漬けこんで、発酵させる。はなこうじの甘さが、鮭とカズノコの旨みを包み込んで、それはぜいたくな味である。この飯寿司を肴にして日本酒を飲んでごらんなさい。十二月のうちにお正月がきたみたいで、わくわくしてしまう。
 うおやは、村上の鮭のいろいろを扱っているから、飯寿司を注文して、送料八百八十円以内で塩引き鮭や、鮭のはらこ醤油漬けをみつくろって送ってもらうのがいいでしょう。村上は、『奥の細道』の旅で、芭蕉がたち寄った地でもあり、古い町並みに人気がある。雪がしんしんと降る町の、胸にしみこんでくる味ですね。

鮭の飯寿司

越後村上の鮭は全国的に有名で歴史は古く、平安時代には遠く京都の王朝貴族に献上されていました。
その鮭のまちで創業二百年の越後村上うおやが自信を持ってお届けする「鮭の飯寿司」。他とは味が違います。

当品は厳選した鮭の薄切りと数の子、にんじん,大根、はらこ、氷頭、ゆずを糀で仕込んだ自然食品です。日本酒によくあい食通に喜ばれる伝統料理。村上地方のお正月の味として古くから親しまれてきたふるさとの逸品です。

◆ 飯寿司の歴史  ━━━━━━◆
 飯寿司は、昔から伝わる保存食「なれずし(熟寿司)」の一種です。
 なれずしは元々、冷蔵庫のなかった時代、魚を長期保存するための知恵として生まれました。魚とご飯を漬け込んで、発酵させます。最初はご飯は食べずに捨ててしまい、酸っぱくなった魚だけを食べていました。
 室町時代からご飯も食べるようになり、さらに江戸時代になって酢が出回るようになると、発酵を省略して酢でご飯を味付けし、今の「寿司」の原型になるものが作られていきました。
 一方、古い形のなれずしも各地の郷土料理として残っていきます。中でも飯寿司は低温での発酵が必要なため、北海道から東北にかけて、冬の寒い時季に盛んに作られています。
 なれずしの中ではにおいは穏やかで、ご飯の甘さと乳酸の酸っぱさのバランスが絶妙。村上ではお正月料理の定番として、昔から親しまれています。