UXまるどり得報アンサー 「新潟の女神たち」で女将と塩引鮭が紹介されました

今回は村上で二百年 伝統の塩引鮭を継ぐ女神のお話です

塩引鮭が吊るされる様子というのはもう風物詩にもなっていますよね

この季節、贈答用としての需要も高い”村上の鮭”
塩引鮭が吊るされる様子というのはもう風物詩にもなっていますよね
圧巻ですよね。
この時期が来たって感じですよね

村上伝統の塩引き鮭を継ぐ名物pばあちゃん

今回、ご紹介する女神がこちらです『上村八惠子さん(85)』
村上でおよそ二百年の伝統の塩引鮭を継ぐ老舗の8代目です。
八惠子さん、明るい性格で回りの人を惹きつける名物女将なんですよね
今85歳で現役なんですよね?
そうなんです。

 村上でおよそ二百年の伝統の塩引鮭を継ぐ老舗の8代目です。


それがすごいですよね
僕はね村上にいくと会いに行くんですけど、いつも元気なね。しゃきっとされてて
旅して町内でお邪魔したことがありますよね

塩引鮭

流石に仕事ぶりまではわからないので…
どんな感じなんですかね

実際にお会いしてみると予想以上にパワフルな方でした

昔ながらの風情が残る村上市大町
かつて城下町だったこの場所は、古くから町の中心を担ってきました。

塩引鮭が並んでいます

『塩引鮭が並んでいます。こちらですね、こんにちは』
「いらっしゃいませ」


『あの、八惠子さんはいらっしゃいますか?』
「はい、少々お待ち下さい。おかあさん!」

越後村上うおや 女将 上村八惠子


「はい、いらっしゃいませ。おはようございます」
『uxの三川と申します。』
「こんな綺麗な女優さんみないな方」
『とんでもないです!よろしくお願いします』
「よろしくお願いします」

村上で200年の鮮魚店 名産・塩引鮭 手作りのお惣菜も地元で人気

創業二百年、昔からこの町で鮮魚店を営んできた うおや は、
名産 塩引鮭はもちろん、昆布巻や魚の佃煮など手づくりのお惣菜も人気です

名産 塩引鮭はもちろん、昆布巻や魚の佃煮など手づくりのお惣菜も人気です
ニシンの甘露煮


このお店を長年支えてきたのが、御年85歳の八惠子さん

このお店を長年支えてきたのが、御年85歳の八惠子さん

「おかあさんが店に出てくるとお客さんが喜ぶんですよ」

「おかあさんが店に出てくるとお客さんが喜ぶんですよ」


「今は頻繁にでませんよ」
『え~っ!でも残念がりますよね』
「そうですね、店にいないと”今日はいないんですか?”ってやっぱりよく聞かれます」
「上手なこと言うて!」

65年前、二十歳の時に嫁いでこのお店にきた八惠子さん

65年前、二十歳の時に嫁いでこのお店にきた八惠子さん


それから60年、この時期になると欠かさずやっていることがあるといい。
お店の向かいにある塩引鮭の加工場へ

お店の向かいにある塩引鮭の加工場(鮭こうば)へ

『雰囲気がいいですね』
「はい、どうぞ」
『失礼します』

鮭の香りがします


『鮭の香りがします』
「いい香りですか?」
『いい香りです』

塩引加工も大忙し

今の時期、村上では毎日のように鮭あがり、塩引加工も大忙し

内臓や鱗を丁寧にとり水洗いされた新鮮な鮭

内臓や鱗を丁寧にとり水洗いされた新鮮な鮭

内臓や鱗を丁寧にとり水洗いされた新鮮な鮭


これに八惠子さんは大事な作業を行います

鮭の鮮度をとめるために塩をする


「鮮度をとめるために塩をする」
『この作業は八惠子さんがされるんですか?』
「そうです、あそこまではあの人たち」


「塩をするのは誰でも出来るけど、鮭を大事にして出世してくれと心で思いながらやるわけです。」


「だから世には美味しい物とマズイ物がある」

塩引鮭の塩刷り込み作業

味を左右するといっても過言ではない、塩の刷り込み作業

伝統を知る 八惠子さんの仕事


創業二百年の伝統の味を誰よりも知る八惠子さんにしかできない仕事です。
「腹の中に塩をする」
『腹の中にもやっぱり』


「手一杯にいれて、私は2本の指で塩加減をする。これでできあがり」
『これで?』
「簡単なの」
『塩を引く作業、終わり』

多い日は200本以上、その間立ちっぱなしで仕込むというこの作業

多い日は200本以上、その間立ちっぱなしで仕込むというこの作業


今は息子で9代目の隆史さんに受け継いでいる最中との事で、
おかあさんの印象について聞いてみると


「スーパーばあちゃんなんですよね、パワフル魂とでも言いますか」
「とてもじゃないけど追いつけませんね」
『背中を追いかける感じですか?』
「もう諦めてます」

塩を刷り込んで1週間ほど寝かせた鮭は、水に浸して塩を引き陰干しする部屋に持ち込まれます。

塩を刷り込んで1週間ほど寝かせた鮭は、水に浸して塩を引き陰干しする部屋に持ち込まれます。

あえて窓を作らなかったというこの部屋には村上特有の湿気を含んだ冷たい北風が舞い込みます。ここで1~2週間干し上げて完成。

冬の風物詩ともいえるこの光景を観光客が見学にくることも
『本当は3本くらい買おうと思ってきたんだけどさ、お財布の都合でね!』


『楽しいですよね、群馬にはカラスくらいしかいない』

全国から注文が殺到するという八惠子さんの塩引鮭

全国から注文が殺到するという八惠子さんの塩引鮭
このあと贅沢な方法でいただきます。

村上で二百年、伝統の味を守る85歳の名物女将 上村八惠子さん

村上で二百年、伝統の味を守る85歳の名物女将 上村八惠子さん
ぜひ食べて行ってほしいと七輪で焼いた塩引鮭など贅沢なご飯を準備してくれました


「どうぞ、これがメインですから食べてください」
『はい、じゃあ鮭を真ん中から。このまままずいただいます』
「塩味はちょうどいいですか?」

さらにこの時期だけ、鮭の加工ででる鮭の内臓を使う汁物 村上の郷土料理”なわた汁”もだしてくれました。

「それは、鮭の心臓。どんびこと言う」
『こちらでは心臓をどんびこって言うんですね。すごく味わい深い味噌汁ですね』
「私なんか味わったことないですから」

しかしこの伝統の味、守り続けるのは大変だったのではないでしょうか

『代々続いているうおやさんを守っていくということに対してはどんなお気持ちでいました?』
「あのね、私も実家が鮮魚店だったから、別に抵抗もなかったし、それから守っていくなんていうそんなおこがましい気持ちもなかったし、悪かったら出ていけばいいんだから、気楽なもんでした」

二十歳でお嫁に来た八惠子さん、若い頃からその明るい性格で配達や接客などなんでも全力で取り組んできました。年を重ねるうちに老舗の女将としての意識が芽生えるようになったといいます。

「今はですね、責任があるから」
『責任…』
「やっぱり商売には…責任がある。まだ若い人には責任をかぶせたくない」

お店の看板でもある八惠子さん、取材の間もお客さんがくると真っ先に対応します。
『何十年だろうね?』
「私が嫁に来た頃から」
「やっぱり…安心するような気がする」

御年85歳、元気の秘訣は鮭とお客さんの笑顔だといいます。

『お店には幾つくらいまで立とうかなって思われますか?』
「これは死ぬまででしょ。せがれがあてにしてくれるまで」

そうはにかみながら話す八惠子さん。
創業二百年 うおや伝統の味を届ける為これからも作業場に立ち続けます。

「八惠子さん、本当にパワフルな方ですね。息子さんがスーパーばあちゃんって言っていましたが、本当にぴったりな方ですね」
「めちゃくちゃ現役だったじゃないですか」
「85歳には本当に思えなかったですね」
「あとはまた、若い人にはまだ責任をかぶせたくないっていう話もありましたけど、やっぱりそれだけ仕事への情熱というのを本当に感じますよね」
「若い人って、息子さん61歳ですけどね」
「すごいわ~」
「スーパーおばあちゃんと言われる所以なんですけど、魚の加工だったり接客、従業員の方への指導、さらにパソコンでの顧客情報の管理なども八惠子さん手掛けると」


「本当になんでもできちゃうんですね」
「トークへも笑いがちゃんんと入ってるしね」
「本当にお話してても楽しい方」
「作業の中で八惠子さんにしかできないお仕事ということで、塩の刷り込み作業ありましたよね。私も実際に体験させていただいたんですが、これ実際にやってみるとただ塩を刷り込むように見えるんですが難しいんです。しっかり塩をいきわたらせなければいけないので、尾っぽの方から鱗とは反対のほうへ塩を刷り込みます。力も必要ですし、力を入れすぎると鮭を痛めてしまいますから、ほどよい加減でやらなければいけないんですね。」
「出世させるって言ってたもんね」
「そうなんです。おなかの中にも塩をしっかり塩を刷り込みますから、これ持ち上げたときに6~7kg、1~2kgプラスされることになるわけですよね。鮭の重量よりも。それを1日に多い時で200本」


「や~、そうですよね」
「ずっと立ちっぱなしなんですよね」
「スピードアップ、すごいスピード!手早いんですよね」
「純粋にパワーもパワフルで、すごいですね」
「味の良しあしを決める重要な作業、今でも八惠子さんが担っていらっしゃるということです」


「企業の平均寿命って30年って言われているんですよ。」
「たった30年なんですか!」
「200年の伝統を守り続けている経営者ってのは本当に素晴らしいですよね。やっぱり企業経営の最大のミッションっていうのは、いかに永続的にその企業を存続させるかというのが重要なポイントでありますしね。その為には時代の変化に対応しながら経営の形を変えていく、こういうことでも素晴らしいですね八惠子さん。それと今抱えている企業の問題はもちろん少子高齢社会の中で雇用問題っていうのが最大なんです。後継者問題っていうのも大変なんですよ。実は新潟県の企業の60%はまだ後継者がきまっていない。経営者の最後の役割って何かっていうとね、後継者を育てて後継者に繋げていくという、これが重要なポイントなんですね。そういう観点からも本当にスーパースーパーおばあちゃん、素晴らしいです。拍手送りたいですね」


「仕事に厳しく、人にやさしい八惠子さん。これからも生き生きとお店に立っていただきたいと思います」