越後百選 ~逸品巡り

村上市 越後村上うおや

ご飯が止まらなくなる伝統の味「塩引鮭」

日刊スポーツで塩引鮭が紹介されました

保存料や添加物含まず

 軒下に整然とつるされた鮭が寒風に揺れる。
この塩引き鮭を仕込む風景は城下町・村上の冬の風物詩だ。 「越後村上うおや」 (村上市)は200年にわたって鮭を中心とした水産物の加工・販売業を営む。
数ある名品の中でも、名物として愛されるのは手仕事にこだわって作る「塩引鮭」だ。
「塩引鮭はうちで一番古い商品です。製法は創業時からほとんど変わっていません」。
そう教えてくれたのは、今なお第一線に立って味作りを行う大おかみの上村八恵子さん(85)。
内臓とエラを取り除いた鮭を水洗いして丁寧にヌメリを流す。 さらに1本ずつ手作業で塩をすり込み、1週間ほど塩漬けにしていく。
その後、塩抜きでちょうどいい塩加減に調整し、皮まで磨き上げると、ようやく乾燥の準備が整う。
日本海から吹く寒風のもとで約1週間陰干しにして仕上げた鮭はぎゅっと身が締まり、
焼いて食べれば、程よい塩加減にご飯を食べる手が止まらなくなる。
毎年冬が近づくと、伝統の味を心待ちにした全国のファンからの注文の電話が鳴り始める。
原材料は鮭と塩のみ。保存料や添加物を一切使用していない安心・安全の保存食は贈答用にも人気で、
2017年には「日本ギフト大賞」で都道府県賞(新潟賞)を獲得した。
「1シーズンで約8000本を作ります。
製法は変えていませんが、塩味の強さは細かく調整しています。
今の時代は塩辛くない方が好まれますね」。
伝統の食文化の担い手として、昔ながらの製法を守り貫く一方で、時代の変化に合わせながら日々求められる味を追求する。村上の人々の 知恵と工夫が詰まった塩引き鮭は、この先も郷土の味として長く親しまれていくだろう。
         【池田尚浩】

紹介した越後村上うおやの「鮭三昧(3種各2個入り)」の詰め合わせ(2980円=税込み)を読者3人にプレゼントします。
希望者は、はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記の上、〒104-8055(住所不要)日刊スポーツ新聞社編集局新潟版「越後百選・うおや」係まで。12月7日消印有効

この道65年以上という上村八惠子さん 
「塩引鮭」切り身(1切れ80g)580円(税込み)。
一本物の場合、1キロ2290円から

プロフィール
越後村上うおや上村八恵子さん 1933年(昭8)生まれ、村上市(旧岩船町)出身。
20歳の時に実家の鮮魚店から同店へ嫁ぐ。
以後、長年にわたって塩引き鮭をはじめとする加工品の生産を取り仕切る。